高校生による地元企業学習の取り組み~宮島醤油株式会社編~
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宮島醤油株式会社
宮島醤油株式会社は、1882年に佐賀県唐津市で醤油味噌の醸造所として創業された歴史ある地元企業です。九州北部、東京・大阪など全国に展開する企業で、様々な商品を開発、製造、販売しています。最近では様々なコラボ商品にも積極的で、またOEM製造にも力を入れています。
企業を訪問
宮島醤油の本社・工場を歩く生徒
今回の事業では6名の高校生がこの企業を探求・訪問しました。唐津に住む彼らにとって、宮島醤油は頻繁に口にする「地元の味」ですが、 どのような会社で、どんな人が作っているのか?は未知の状態でした。また、会社名に「醤油」とありますが、探究を進めていくうちに、様々な商品を開発・販売していることに気づき、驚いた様子でした。
早速、社員の方々にお話を聞きます。彼らにとって、興味深かったことは、一つの商品が出来上がるまでに様々な工程があり、その一つ一つに専用のセクションと専任者がいるという事でした。商品はその営業や企画提案を担う者、実際に企画を具体化するサンプル作成、素材吟味&調達、商品製造に関する工程作成をどうするか?など、商品一つとっても様々なセクションがあり、多くの人々が関わって出来上がっているのだという点に大変興味を持ったようでした。
現場で働く社員の方から業務内容の説明をしていただきました
また今回は宮島治(みやじまおさむ)社長も参加していただきお話を聞くことができました。宮島社長は佐賀県立唐津東高等学校のOB、つまり生徒たちの先輩でもあり、当時の唐津東高等学校の事をお話ししていただけたことで、生徒たちはとても親近感を持ったようでした。そこで生徒たちは宮島社長に「社長就任は怖くなかったですか?」という質問を投げかけました。
すると宮島社長は「全く怖くはなかった。しかし、社員の皆さんやその家族を守っていかなければならないという重圧を強く感じた」と答えていただきました。生徒たちは、宮島社長の社員とその家族を想う気持ちの強さと、優しさ、そして親しみやすさに感銘を受けていたようです。そして何より、宮島醤油株式会社は地域によって支えられているという宮島社長の強い想いに、地域を大切にする会社の姿勢を感じられたとのことでした。
生徒の質問に答える社長と常務
学んだことの発表・提言
そして、自身が感じた宮島醤油株式会社の魅力を彼ら自身の言葉で伝えるために、作成した資料を使ってプレゼンを行う日を迎えました。発表のなかで特に印象的だったのは、宮島社長との会話の中で見出した「働く環境」という観点でした。以前東京で勤務されていた経験をお持ちの宮島社長に「東京で働くことと、唐津で働くことの違いは?」という質問を行った時のエピソードの紹介です。
探求の時間や企業訪問で知り得た情報をパワーポイントにまとめ発表
都会での勤務は、特に通勤が「過酷」だったそうです。家賃の関係で仕事場の近くに家を構えることができないことで起きる長時間の満員電車通勤、絶え間ない雑踏や喧噪。そういったものの中で仕事に向かう事は大変つらかったとのこと。それに比べ、現在は、清々しい空気の中を自転車で通勤できており、通勤自体もリフレッシュの一環であるとのことでした。
また、大企業では業務が細分化されており、自分の仕事が社会や会社に対し影響を与えている感覚が薄く、仕事のやりがいを感じることが少なかったが、その点、宮島醤油株式会社では社員が互いに顔を合わせて話を聞くことができるため、セクションを越えたアイディアのやり取りが活発で、それを業務に反映させやすい。これが働くことにやりがいを感じさせてくれるとのことでした。
宮島醤油株式会社を訪問し、宮島社長のお話を聞いて、彼らが感じたUターンを促すための手法は「職場を含む快適で健康的な住環境」と「働くことへのやりがいがある職場」の両方を満たす職場が唐津にあることを伝えていくべきではないか?という事でした。
また、お話を聞いた社員の方から出てきた「職場は地元出身者の採用が多く、先輩、後輩と共に仕事ができることも喜び」というお話とあわせ、(唐津の)地域と共にある会社だからこその一体感、そして社員全員が家族かのような連帯感という、都会の大企業では感じることができない職場環境があることこそ唐津へのUターンを促す原動力になるのではないか?と締めくくりました。
【Information】
宮島醤油株式会社
宮島醤油株式会社は、1882年に佐賀県唐津市で醤油味噌の醸造所として創業された歴史ある地元企業です。九州北部、東京・大阪など全国に展開する企業で、様々な商品を開発、製造、販売しています。最近では様々なコラボ商品にも積極的で、またOEM製造にも力を入れています。