唐津暮らし〜ここちよい生活のはじまり

唐津の暮らしvoice list

【唐津人】想いを受け継ぎ、繋ぐ人

想いを受け継ぎ、繋ぐ人

池田聡さん

大正2年創業の呉服店、池田屋若旦那
唐津くんち(唐津神社秋季例大祭)一番曳山刀町赤獅子取締

池田さんの住む刀町は市役所前の通りと平行して東西に走る道筋にあり、現行の14台の内、最初に曳山を製作した町。作られたのは文政二年(1819年)、一番曳山「赤獅子」です。祭礼につきものの悪霊払いの先陣として獅子舞の頭が選ばれたと考えられているそうで、昨年が生誕200年という記念の年でした。

唐津神社で一番曳山「赤獅子」が進んでいる

商店街で生まれ育ち、「粋で鯔背(いなせ)な唐津っ子」と言う言葉がしっくりくる池田さん。呉服店の若旦那として店を切り盛りしながら、「唐津はこのまんまde委員会!?」運営、「唐津ミチョランガイド」など、唐津の魅力を広げるための新しい取り組みもされています。

 

 

商店街での子ども時代ってあまり想像つきませんが、どんな感じだったのでしょうか。
「子どもの頃は学年が違う近所の子達としょっちゅう遊んでいました。市役所の憩いの広場で野球したり、商店街のお店でかくれんぼしたり。今考えると絶対嫌がられていたと思いますけど。電柱よじ登って、アーケードの屋根の上にある消防の避難路みたいなところで鬼ごっこしたり。」
アーケードの上で鬼ごっこ!!!今では考えられませんが、かなり自由な子ども時代だったようです。

 

 

大学卒業後3年間は修業のため兵庫へ。その後の池田屋での修業が始まりました。そんな時、行きつけの喫茶店をみんなに知ってもらいたいという想いから、そこで小さなコンサートを開いた池田さん。
「初回は九州花火大会の日。僕がたまたま知り合った福岡のミュージシャンが来てくれて、演奏聞いて、花火見て、また演奏聞いて。音楽とか、何か違うコンテンツがきっかけでお店に来てもらって、またコーヒー飲みに来てくれたらいいなって。」
段々と規模が大きくなり、3回目の時に100人規模になったのをきっかけに、仲間6人で「唐津はこのまんまde委員会!?」を立ち上げました。
「唐津はこのままでいいのかなって意味と、唐津に今あるお店とか空間、自然をこのまま大切にしていきましょうって意味と相反する二つの想いが込められています。」
映画やコーヒーの淹れ方ワークショップ等を、歴史ある鰻屋の竹屋や老舗旅館の洋々閣、お寺や虹ノ松原などを会場に年に5・6回イベントを開催。

 

 

「今年は(COVID-19の影響で)できませんでしたけど、今は洋々閣さんで春に落語会、クリスマスにコンサートの年2回ですね。遠方からのお客様、出演して下さる落語家や音楽家の方々も唐津を気に入って下さっています。」
敷居が高く感じてしまう老舗旅館に、音楽や落語をきっかけに足を運んで貰い、唐津にある素晴らしさに気づいてもらいたいという池田さんの想い。それは私の胸を温かくさせ、次回の開催は絶対に足を運びたいという気持ちになりました。人を動かすのはやっぱり、人の想いなのでしょう。

池田さんは毎年洋々閣でクリスマスコンサートを開いている

毎年洋々閣で開催のクリスマスコンサート

初めて唐津くんちの曳山行事が中止された今年、池田さんは仲間4人と「店主の私的唐津案内 唐津ミチョランガイド」というインスタグラムを使った取り組みを始めました。参加店舗の店主たちが、季節やテーマごとに意外と知られていない(ミチョラン*)唐津のお店や楽しみ方を案内するというもので、唐津くんちが行われるはずだった11/2・3・4に開催されました。(*ミチョラン…唐津の方言で見ていないという意味)
1人でやらず、同じ想いの仲間を巻き込んでイベントとしてしまうところが池田さんらしく感じます。今回は29店舗が参加。全く門戸を閉じておらず、どんな業種でも参加できるそう。
「自分でいかに格好よく楽しく発信できるかっていう挑戦。時代に合ったやり方で情報発信するって意味でのやり方とか見せ方の勉強です。」
初回のテーマは「本と私」。それぞれの店主の好みや個性が良く出ており、知らなかった素敵なお店や会ってみたい店主を見つけることが出来ます。

意外と知られていない唐津のお店や楽しみ方を案内するコンテンツ「唐津ミチョランガイド」

唐津ミチョランガイドの一頁(Instagram)

全国的に商店街が寂れていると言われて久しい中、唐津くんちを通して、町そして人と人の繋がりがずっと続いている唐津。最後に、後世に受け継ぎたい想いを伺いました。
「唐津くんちが続けられるのも、大きな災害や争い事がなく無事で平和の証。町や地域の営みは住人の想いや繋がりがあってこそ。」と、池田さんは言います。
「おくんちは楽しいんですよね、楽しくて仕方がなくて。特に子どもたちはそれでいいんですけど、ただ曳山曳いてお酒飲んで騒いでるだけじゃなくて、神様が一年に一度、拝殿から出てきて氏子たちの町を曳山に守られながら見て回り、生まれ故郷の海、お旅所に里帰りして鋭気を養い、また僕らを1年間守ってくれるっていう、おくんち自体が何のためにあって、何をやってるのかっていうところはしっかり受け継いであげたいなと思います。」

 

 

時代や町並みがどのように変わろうとも、ずっと変わらない人の想い。
唐津くんちを見て毎回心が震えるのは、美しく厳かで迫力があるからだけでなく、運営してきた人たちの受け継がれてきた想いを感じるからに違いありません。

唐津くんちは迫力だけでなく、受け継がれてきた想いがあります

【Information】

池田屋呉服店
住所 佐賀県唐津市刀町1515-1
電話 0955-72-2050
ホームページ https://kimono365.jp/
インスタグラム ikedaya5298

唐津に移住したKyokoさんの写真

コラムニスト:Kyoko

ピラティススタジオ ミューク代表
四国・湘南・東京・熊本など、各地で高校生から70代の女性を中心に、ピラティス・筋膜リリースをはじめ、身体の正しい使い方・セルフケアを指導。身体が軽いと、産後はもっと楽しくなる事を伝えたいと、赤ちゃん連れ可能なレッスンや産前産後ケアも対応している。
2016.8唐津に移住。現在は、移住先の築100年越の古民家で、無農薬無肥料でお野菜やハーブを育てながら、夫と4人の子どもたちと暮らしている。

ブログ:https://mjuk.sun-outdoor.jp/

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