唐津暮らし〜ここちよい生活のはじまり

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【唐津のおススメ】子育て中のあなたへ

【唐津のおススメ】子育て中のあなたへ

「唐津市子育て支援情報センター」唐津で出産した人なら1度くらいは聞いたことがあるだろう。唐津市東城内の一角にある「りんく」の3階にその施設はある。

唐津市東城内の一角にある「りんく」の3階に施設がある

<東城内の旧城内閣>

私は昨年夏に出産した。母はもう亡くなっていたため、母の姉がはるばる奈良から産後介抱にやって来てくれた。炊事・掃除・洗濯、母乳が必要ないぐずりの時は子どもを抱っこして落ち着かせてくれ、私はおだやかな気持ちで産後を過ごしていた。

いくらでも滞在してくれると言っていた伯母だったが、事情が変わり2週間で帰宅。そこからが本当の闘いの始まりであった。慣れない育児。泣き続ける子どもに対し「何故泣いているのかわかってあげられない」「こんなに悲しそうに泣いているのに泣き止ませることが出来ない」と気持ちは沈んで自信を無くし、家から出ないのでそんな気持ちを誰にも打ち明けられず、睡眠不足も手伝っていわゆる「産後うつ」の状態になってしまった。

出産後2ヶ月が経とうとしていた頃、保健センターでの健診の帰りにふと、子育て支援情報センターに寄ってみようと思った。以前から気になってはいたものの、勇気が出なかったこともあるし、新生児を連れて行くのは気がひけて中々行けなかったのだ。りんくへ向かい、3階でエレベーターを降りて右へ行くと受付があった。

唐津市子育て支援情報センターではエレベーターを降りると季節ごとに描かれる唐ワン君のイラストが迎えてくれる

<エレベーターを降りると季節ごとに描かれる唐ワン君のイラストが迎えてくれる>

受付ではスタッフの方々が、笑顔で子どもに「可愛いね。」「はじめまして。」と声をかけてくれた。中には顔見知りの方もいて、ここまでは緊張せずに進むことが出来た。受付で登録を済ませ、一通りの説明を受けてから、センターのメインエリアである広場に向かうと沢山の親子連れがいた。

私は人見知りである。1対1や初めましての集団ならば何とか乗り切れるのだが、既に出来上がっているコミュニティに入っていくのには、それはもうかなりの苦痛が伴うのである。平気な顔をして荷物を置きながら、動悸はおさまらない。どの子どもも少しうちより大きく、お母さん同士も知り合いのようで、どうやら私だけが初見参だ。当然こちらから声をかけることなど出来るわけもなく、ここからどうすれば良いのか、とりあえず腰を下ろせばいいのか、どうしよう、苦しい!そう思った時 「うわー小さいですね、今何ヶ月ですか?」 「こんな頃あったなー、懐かしい!」 「ラック使いますか?」 広場にいたお母さん達が、口々に声をかけてくれてすっと胸のつかえが取れるのを感じた。 「もうすぐ2ヶ月です。」 そう答えながら、すんなりと輪に入って行くことが出来たのだ。

唐津市子育て支援情報センターに向かうと沢山の親子連れがいる

《子どもと2人気分転換にセンターに行きたいような。でも他のお母さんと何を話せばいいかわからなくて少しゆう鬱なような。。。》そんな心配は一切要らなかったのだ。何を話せばいいかなど悩むことはない。ここにいる人たちはみんな子育てをしている人たちで、それだけで必ず共通の話題がある。そう気付いてからは、センターにあまり気負わずに出かけることが出来るようになった。

「爪は何日に一回切るのか」「おしっこでのおむつ替えでもおしり拭きで拭いてあげた方がいいのか」「洗濯物は別に洗った方がいいのか」「添い寝とはどのくらい傍に寄ればいいのか」「一緒にお風呂に入るときはどうやって体を洗ってあげるのか」友達にわざわざLINEするほどでもない、ましてや先生に聞くほどでもない疑問は毎日山のように生まれてくる。しかし、そのほとんどはセンターで他のお母さんと会話をしているうちに解消される。子ども同士が一緒に遊んでいるうちに、親同士も自然と話が盛り上がっていく。 一番気にしていた《何故泣いているのかわかってあげられない》そんな悩みも 「本当わからないですよね。」 「もう泣きたいんだろうなぁって思うしかないですよ。」 他のお母さんに本当にちょっとした同調の言葉をかけてもらっただけで、あっと言う間に消えていった。

とまぁ、親同士の触れ合いを書いたが、スタッフの方は言わずもがなである。子どもの顔をしっかりと覚えてくれていて「大きくなったね。」「ハイハイ、早くなったね。」と声をかけてくれる。ちょっとした不安や疑問にはすぐに答えてくれ、難しい話の時には詳しいスタッフに代わってくれる。子連れで行けるご飯屋さんを尋ねれば自作の資料を見せてくれる。けんしょう炎で手首が痛いと言えば「ここにいる間くらい手を休めて。」と抱っこを代わってくれる。何なら「赤ちゃんが居たらゆっくりご飯も食べられないよね。」と、親がセンターで食事をする間中、子どもの相手をしてくれたりするのだ。

センターには絵本が沢山そろっている。ぬいぐるみも沢山あるし、知育がん具も充実している。週3回のゆっくりんの日には、手遊びやエプロンシアター、わらべ歌、読み聞かせなど親子で触れ合いながら楽しめるゆっくりんタイムがある。クッキングスタジオでは栄養士の先生に教えてもらえる離乳食講座があったり、病気回復期で登園出来ない子どものために病後児保育があったり、365日年中無休で電話による子育て相談もあったりと、とにかく至れり尽くせりなのだ。

子育てで悩んだりしている人がいたら、唐津市子育て支援情報センターを訪れて欲しい

もし今、子育てで悩んだり、落ち込んだり、不安や辛さを感じている人がいたら、とにかく一度センターを訪れて欲しい。そこにはあなたと同じように悩んでいるお母さん・お父さんが居て、共感し合えるはずだ。スタッフの方々や沢山のお母さん・お父さん、可愛い子ども達と一緒に過ごすうちに、あなたのゆう鬱な気持ちはきっと晴れていくはずだから。

【Information】

NPO法人唐津市子育て支援情報センター
佐賀県唐津市東城内1番3号
http://karatsu-kosodate.net/
電話番号:0955-72-2288
開館時間:午前8時から午後6時まで
休館日:土曜日、日曜日、祝日、11月4日、12月29日~1月3日

ゆっくりんタイム
月曜日、水曜日、木曜日 11時~、14時~

唐津に移住した田坂朋子さんの写真

コラムニスト:田坂 朋子

福岡生まれ、唐津育ち。高校卒業後、近畿大学文芸学部芸術学科演劇芸能専攻へ進学。マンモス大学の人の多さに圧倒されながら、歌ったり踊ったり芝居をして四年間を過ごす。
卒業後は唐津に戻り、CATV出演、ラジオパーソナリティやイベント司会などを行う。現在はFMからつ、JOYひる水曜・金曜、夕方チャンス水曜を担当。
昨年、念願の第一子を出産し、慣れない育児に奮闘中。

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