子どもの頃から大好きなまちに恩返しを
佐々木諒平さん
LIVE COPTER(ライブコプター)映像制作
唐津市出身
2019年12月に唐津にUターンし、実家の保険業やご自身で立ち上げられた映像制作の仕事を通して、子どもの頃から大好きだった唐津に恩返し中とお話をされた佐々木さん。今回はそんな佐々木さんに唐津に戻ってきた経緯や現在の唐津暮らしについてお聞きしました。
Q. Uターン移住前はどこでどのようなことをしていましたか?唐津を出てからの経験を教えてください。
小学校から始めた野球に打ち込むために、高校から唐津を離れ佐賀市内で寮生活を送っていました。そのあと北九州の大学を卒業後、福岡の消防防災機器商社でドローンの販売員をしていました。
Q. Uターンのきっかけを教えてください。いつ頃、唐津に戻ってこられましたか?
お正月に帰省したときの父とのなにげない会話の中で、父の「戻ってくるか」の一言がきっかけで、それからすぐに準備を始めて、2019年12月に唐津に戻ってきました。
Q. Uターンに不安はありませんでしたか?
幼い頃から、父の仕事をしている姿や地域行事に参加している姿を見て憧れていて、いずれ唐津に戻って父の保険代理店の仕事を引き継ぎたいなと思っていたので不安はありませんでした。
Q. 福岡と唐津での暮らしに何か違いはありましたか?
福岡では、仕事ばかりをしていたこともあり住んでいる地域のことを考える機会や地域とのつながりはありませんでしたが、唐津に戻ってきてからは、地域の方とのコミュニケーションが増え、唐津のことを考える時間がとても増えました。
Q. 休日はどのように過ごされていますか?
ドローンで唐津の人や観光スポットを撮影しています。中学時代までしか唐津に住んでいなかったので、実家がある校区内のことしか知りませんでした。ドローンで撮影に行くことで唐津の良いところを新たに自分自身が発見をしているところです。
Q. お気に入りのスポットはありますか?
七山にある樫原(かしばる)湿原です。唐津と言えば海のイメージが強かったので、ドローンで撮影に行くまでは、こんなにも自然が美しいところが唐津にあることを知りませんでした。山の谷間にひっそりとあり、とても静かで鳥の美しいさえずりが頻繁に聞こえ、いかにもジブリに出てきそうな感じがとても魅力的でした。
佐々木さんがドローンで撮影された樫原湿原
Q. どんな時に唐津に帰ってきてよかったと思いますか?
地域の人と話すときに、私のことだけではなく、私の家族のことまで気づかって「元気にしとらすね?」と、聞いてくれます。そんな人の温かさに触れる会話ができるときに、唐津に戻ってきてよかったと感じます。
Q. 地域とのつながりはありますか?
消防団、唐津くんちの運営組織、商工会議所青年部、地域の異業種交流会など地域のさまざまな団体に所属しているのでそれぞれの行事で忙しいくらいにつながりがあります。
唐津くんちに参加する佐々木さん:右手前(写真提供 佐々木さん)
Q. 唐津を離れる前とUターン移住後のGAP・違いはありましたか?
特に感じなかったですね。小さい頃から、年に1度の唐津くんちが楽しみで、大好きなまちでした。その時に感じていた大好きだったまちの想い出と変わらなかったです。
Q. Uターン後に感じた唐津の魅力を教えてください。
唐津の人は、唐津がすごく好きで、「地元民が地元を守ろう」と口には出さないけれど、行動で示す人が多いなと感じていて、そんな唐津に住んでいる人が魅力的だと思っています。
Q. 起業したきっかけについて教えてください。
実家の保険代理店の社員として働く中で、お客様の悩みであった情報発信を手伝うために以前から趣味で行っていた映像制作を活かし1本の動画を制作したところ、大変喜んでいただけたことがきっかけで映像制作を行う「LIVE COPTER」を立ち上げました。
Q. 「LIVE COPTER」のお仕事内容について教えてください。
ドローンでの撮影だけではなく、動画の制作も行っています。結婚式や終活のプロモーションビデオ、企業の商品PRや記念事業の動画。それから、ドローンの講習·販売·保険のトータルプランも提案しています。
結婚式のプロモーション映像の撮影風景【手前:佐々木さん】(写真提供:佐々木さん)
Q. 最初のお仕事はどのような内容でしたか?
唐津に戻って来て知り合ったコミュニティFMラジオ「FMからつ」のパーソナリティーの方に誘われてラジオに出演し、「ドローン撮影しています。」とPRをしたところ、地元企業の社長さんがラジオ放送を聞いてくださっていて、その企業のプロモーション映像のご依頼をいただきました。このときは、ご縁のつながりにとても驚きました。それからも人づてにご縁がつながりお仕事のご依頼をいただいています。
Q. 「LIVE COPTER」のお仕事の魅力を教えてください。
ドローンのことを「マルチコプター」とも言います。「LIVE=いま」の「ありのまま」の姿を私は口下手なので映像で伝えたいと思っています。保険の仕事と一緒でお客様に寄り添った仕事をし、お客様に喜んでもらえる仕事です。私は、単純に人から喜ばれ、頼られることが好きなので、それが実現できるのが魅力です。
佐々木さんがドローンで空撮した写真。手前は鏡山、奥には唐津湾が広がる(写真提供:佐々木さん)
Q. 今後取り組みたいこと、目標を教えてください。
唐津をもっと盛り上げたり、もっと唐津のことを沢山の人に知ってもらいたいと思っています。今は、唐津の観光地に来た方に突然声をかけてドローンで撮影をする動画「突然ですがドローンで撮ってもいいですか?」というシリーズを制作しインスタグラムなどで配信しています。
ドローンはまだまだ様々な活用の可能性を秘めており、誰も挑戦したことのない新しい活用方法を開拓していきたいです。
ドローンでの撮影準備をする佐々木さん(写真提供:佐々木さん)
Q. Uターン移住を検討されている方へのメッセージをお願いします。
私は子どもの頃に大人たちが楽しそうにしていた姿を見てきました。それがとても印象的でした。その想い出の姿を見本に、今度は自分が若い人達にその姿を見せたいと思っています。子どもの頃に楽しかった想い出の場所へ戻って、一緒に恩返ししましょうよ。
【Information】
コラムニスト:藤田和歌子
自然豊かな唐津の野山で遊びながらのびのびと育つ。「自然が大好き」というご縁で 2006 年にNPO 法人唐津環境防災推進機構 KANNE(かんね)に入社。人と自然の共生を目指して、唐津の宝である虹の松原の再生・保全活動を地域の皆さまと一緒に続けている。「虹の松原が好き」「自然が好き」という仲間が増えることを願って日々、奮闘中。