唐津暮らし〜ここちよい生活のはじまり

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【唐津人】「一生観光気分」で楽しむ暮らし

【唐津人】「一生観光気分」で楽しむ暮らし

黒川洋行さん

CMプランナー、イラストレーター、そしてギャラリーのオーナーとして、第一線で活躍してきた黒川洋行さん。2017年11月、40年住み慣れた東京を離れ、ご夫婦で唐津へ移り住みました。黒川さんにとって縁もゆかりもない唐津。どうしてここ唐津への移住を決めたのでしょうか。

 

「それぞれの両親の介護を終えた時、縛りがなくなったというか、あとは僕らの自由にしていいと思ったのがきっかけです。東京は大好きで、でもせっかく自由なんだから空気が全然違う土地で暮らしてみるのもいいねって。」と黒川さん。
「どこにでも住めるってなった時に、最初に思いついたのが唐津でした。」と言うのは妻の愛紀子(あきこ)さん。愛紀子さんは佐賀県武雄市出身。学生の頃は佐賀県って何もないつまらないところだと思っていたと言います。
「母の介護のために月1くらいで実家に帰るようになり、改めて大人の目でいろいろ見たら結構面白くて。嫌々介護のために帰るんじゃなくて楽しみに帰れるようになったんです。唐津は子どもの時に海水浴で毎年行く場所でイメージが良くて。改めて訪れたらすごく気持ちがいい町だったの。佐賀に住むってきっともうないと思っていたけど、もしも住むなら唐津かなっていうのは心のどこかにありました。」と愛紀子さん。

 

名古屋出身の黒川さん自身も、愛紀子さんとともに唐津を何度か訪れました。そしてこれからの人生をより面白くできる土地を考えた時、一番唐津がしっくりきたそう。
「文化がある町が良かった。金沢とか松山とかも候補でした。唐津は、文化があって歴史があってお城があって。住んでる人たちも自分の町が好きで誇りを持ってる。そういうのが見える感じがいい。山、川、海も身近にあって釣りができるのもいい。」と黒川さん。

唐津城天守閣から見た、黒川さんが移り住んだ東唐津の町

唐津城天守閣から見た、黒川さんが移り住んだ東唐津の町 奥に見えるのが名勝「虹ノ松原」

「テーマは『一生観光気分』なんです。多分我々ここではずっとよそ者と思われる、どうせどこかから来た人と思われるんだったら、一生観光気分で楽しもうって。」と愛紀子さん。黒川さんは、受け入れてもらえるだろうか、東京を離れて大丈夫だろうか、という不安が愛紀子さんのその言葉でスッキリ消え去り、気が楽になったと言います。無理してその土地に馴染もうとするのではなく、ただ謙虚にその土地にある楽しさを享受する。そうやって楽しむことに重きを置いた移住スタイルも今後増えていくかもしれません。

 

そうして引っ越してきたのは唐津の一大イベントである唐津くんち(唐津神社の秋季例大祭)の初日。移住がその時期だと知った唐津の鮨屋の主人に「それなら宵山*に間に合うようにおいで!」と言われ、強行スケジュールで引っ越し準備を進め、ぎりぎり間に合ったそうです。
「その鮨屋の大将がすごく良くしてくれて。宵山の日は開けておくから食べにおいでって言ってくれたんです。二人で食べていたら(曳山が)店の目の前にわぁって来て、まるで演出されているようで。もう感動ですよ。来てよかった!!決めてよかったーーー!!!って。」

*宵山…3日間ある唐津くんちの初日 午後7時半からたくさんの提灯で飾られた曳山が夜の町を巡行する。

唐津市ではギャラリーカフェ「ニジノネ」が開いている

黒川さんは2019年9月、東唐津にある海まで徒歩1分の一軒家をリノベーションし、ギャラリーカフェ「ニジノネ」をオープン。「ニジノネ」というのは、名勝「虹の松原」の根っこにあたる町にあることと、虹の根っこには宝物が埋まっている、という言い伝えから。

 

1階はカフェ、ギャラリー。ギャラリーは2か月ごとの企画展示。2階は定員3名の図書室。蔵書は、デザイン、アート、写真、建築などの古本が中心。ワンオーダーで自由に座って読むことができます。600枚以上あるアナログレコードも自由に聞くことができ、読書に飽きたら海までぶらりと散歩し、戻ってまた読書。そんな贅沢な唐津のひと時を過ごすことも可能です。

 

「ここではなるべくモノは売らないようにして、時と空間の提供。なかなか難しいことなのだけど、それを目指しています。飲食もここでの時間をよりよくするためのもの。」と黒川さん。アートを楽しむ、音楽を楽しむ、会話を楽しむ、そして、ただそこにいて何もしない時を楽しむ。そんな新しい大人の楽しみ方の可能性を秘めた空間。

唐津市のギャラリーカフェ「ニジノネ」はコーヒーを飲みながら展示を楽しむことができる

左:1Fカフェスペースではコーヒーを飲みながら展示を楽しむことができる。右:2F古道具の展示販売もあり。

ニジノネをオープンした今も唐津では「暮らし」を最重要にしていると語る黒川さん。 それは当たり前のようで、決して当たり前のことではありません。誰もがよりよく暮らすために働いているはずなのに、いつの間にか働くことがメインでどう暮らしたいか、どう生きたいかを置き去りにしてしまっている人は、実は多い気がします。
「癖でつい働いちゃうから、なるべく遊び重視にして楽しまないと。」
海にベンチを持って行ってビールを飲んだり、釣りをしたり。働くことが最重要だった東京ではできなかった唐津での日常。日々を楽しむ黒川さんだからこそ作り出せる居心地の良さがニジノネには溢れています。

ギャラリーカフェ「ニジノネ」の2階は図書室となっている

2F 定員3名の図書室 愛紀子さんの実家から譲り受けた柱時計の音が優しく時を刻む

虹の根っこで黒川さんが見つけた宝物は『暮らし』そのものかもしれません。

あなたも唐津で、誰もやっていない何か面白いことを始めませんか?
唐津は、そんなあなたを応援してくれる人がたくさんいる町。
2年前、このサイトを見ていたと言う黒川さん。次はあなたがこのサイトに登場する番かもしれません。

ギャラリーカフェ「ニジノネ」はお客様に安らぎの時間を与えます

【Information】

ニジノネNijinone
毎週金土日月営業/15:00~21:00
https://nijinone.info
駐車場2台(軽4台)有り

唐津に移住したKyokoさんの写真

コラムニスト:Kyoko

4児の母 ピラティスインストラクター指導歴9年
四国・湘南・東京・熊本など、各地で高校生から70代の女性を中心に、ピラティス・筋膜リリースをはじめ、身体の正しい使い方・セルフケアを指導。身体が軽いと、産後はもっと楽しくなる事を伝えたいと、赤ちゃん連れ可能なレッスンや産前産後ケアも対応している。腰痛が改善し、一晩ぐっすり眠れるようになった70代女性や産後の尿漏れが解消した30代女性など、幅広い層から支持を得ている。
2016.8唐津に移住。現在は、移住先の築100年越の古民家で、無農薬無肥料でお野菜やハーブを育てながら、夫と4人の子どもたちと暮らしている。

 

ブログ:https://ameblo.jp/mjukpilates/

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